Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
を仰ぐ途端に、パッと眼前に飛び下りて浴槽の隅に羽ばたきをしたものがあります。それは雪に食を奪われた野鳥山禽の類が紛れ込んだかと見ると、そうではなく、一目見て三人が、
「鳩だ、北原君愛育の伝書鳩だ」
と気がつきました。
「だが、少しおかしい」
特に念入りに、その見知り越しの鳩に注意の眼を注いだのは池田良斎でした。
「宗舟さん、済みませんが、その鳩をちょっと見て下さい」
「どうしましたか」
「あなたは御職業柄、観察が細かいに相違ない、北原君愛育の鳩についても、特別に見覚えがなければならない」
「よく見ておりますよ」
「たしか、五羽いましたね」
「ええ、五羽でした」
「その五羽のうちを、今朝出立にあたり、北原君が二羽だけ懐中して行ったはずです」
「その通りです、高山に着いたなら、早速に手紙をつけて放ち返すからとおっしゃいました」
「そうしてあとの三羽は、村田君が北原君に代って監督していたはずです」
「それに違いありません、一号と二号だけを北原さんが持って行きましたから、三、四、五がこちらに残っているはずです」
「仕方がないな、村田君、頼まれものだから一層用意周到に監督すればいいのに、こんなところに舞い込ませるようでは、あとを猫か、いたちに御馳走してしまわねばいいが」