Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
もしやと思ってお銀は表へ出て、となりの空き家をあらためると、錠をおろしてある筈の格子がすらりと明いた。なんだか薄気味が悪いので、内へ引っ返して提灯をとぼして来て、沓ぬぎからそっと照らしてみると、ひとりの男が六畳の座敷に倒れていた。いよいよ驚いて表へ飛び出して、門のそばの車夫の家へ駈け込むと、元吉は丁度居あわせたので、すぐに一緒に出て来た。
座敷のまんなかに倒れているのは上林吉之助であった。そればかりでなく、矢田友之助が台所に倒れていた。友之助は水を飲もうとして台所まで這い出して、そのまま息が絶えたらしい。亭主のあとから怖々覗きに来た元吉の女房は、ふだんのおしゃべりに引きかえて、驚いて呆れて声も出せなかった。お銀は夢のような心持で突っ立っていた。
元吉の注進をきいて、奥の溝口家からも皆かけ出して来た。溝口医師の診察によれば、かれらもお蝶とおなじ劇薬をのんだもので、もはや生かすべき術もなかった。家内を残らずあらためたが、別に怪しむべき形跡も見いだされないので、かれら二人がどうして死んだのか、その子細はちっとも判らなかった。
「あいつです、あいつです。きっとあいつが殺したのです。