Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
三
かれは手にピストルを持っていた。
「今夜は犬がひどく吠えます。」と、ハドソンは明快な日本語で言った。「わたくし見まわりにまいりました。こちらの藪のなかに人が隠れておりました。その人は穴を掘っております。わたくし取り押えようとしますと、その人逃げました。わたくし穴に落ちました。」
「その人、男ですか、女ですか。」と、父は訊いた。
「暗いので、それ判りません。」と、ハドソンはからだの泥を払いながら答えた。
二人はしばらく黙って露の中に突っ立っていた。犬はまだ低くうなっていた。ハドソンはおそらく泥坊であろうといったが、泥坊がなぜ幾つもの穴を掘るのか、それが解きがたい謎であった。
あくる朝になって父は再び空き地を踏査すると、なるほど新しい穴がまた一つふえていた。ハドソンの落ちたのは古い穴で、かれはそんな穴が幾つも作られていることを知らないで、一昨夜の父とおなじような目にあったのである。
三
何者がなんのためにここへ来て、根よく幾つもの穴を掘るのか、父はいよいよその判断に苦しめられた。そこで、ハドソンと相談して、今夜はふたりが草むらの中に隠れている事にすると、年の若い英国の騎兵はこの探険に興味を持っているらしく、宵のうちから草むらに忍んでいて、なにかの合図には口笛を吹くといった。