Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

「まったく狐の仕業かも知れませんね。」と、母は言った。

父ももう根負けがして、そのままおとなしく蚊帳のなかにはいった。しかもかの女のことがどうも気になるので、夜の明けるまでおちおちとは眠られなかった。

夜は明けても今朝は一面の深い靄が降りていて、父の探索を妨げるようにも見えた。それが晴れるのを待ちかねて、父は身ごしらえをして再びゆうべの跡をたずねると、草ぶかい空地のまん中から少しく西へ寄ったところに、第一の穴を発見した。それが最初にころげ込んだ穴であることは、片足の草履が落ちているのを見て証拠立てられたが、そこに女のすがたは見えなかった。それからそれへと探しまわると、五百坪ほどの空き地のうちに都合九ヵ所の穴が掘られていることが判った。そのうちの二ヵ所は遠い以前に掘られたものらしく、穴の底から高い草が生え伸びていたが、他の七ヵ所は近ごろ掘られたもので、その周囲には新しい土が散乱していた。しかもその穴を掩うために大きな草をたくさんに積み横たえて、さながら一種のおとし穴のように作られているのが父の注意をひいた。

「なんのために掘ったのでしょうねえ。」と、父のあとから不安らしくついて来た母が言った。