Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
その混雑の最中である。夜の五つ時(午後八時)にひとりの男が封書を持って来て、これは注文状であるから主人に渡してくれといって、店さきへ投げ込んで早々に立ち去った。
前にいったようなわけで、主人の市兵衛は宵から店に出ていない。そこに居あわせた手代どもがその封書の上書きをみると、和泉屋市兵衛様、弥左衛門としるしてあった。聞き知らない名前ではあるが、注文状であるというのでともかくも封をひらいて読むと、それは商売物の書籍類の注文ではなくて、ある浪人から無心合力の手紙であった。なんでこんな手紙をよこしたのかと評議しているうちに、奥の産婦もひとまず落ちついたので、主人の市兵衛も店へ出て来た。
手代どもからその話を聞かされて、市兵衛は眉をよせながらまずその書状の文面をよむと、大略左のようなことが書いてあった。
拙者事、四五年以前まで御隣町にまかりあり、御世話にあづかり居り候処、その後いよいよ不如意にまかり成り候て、当時は必至と難儀いたし候、もつとも在所表は身分相応の者どもに候間、右国許へまかり越し、金子才覚いたし度候へども、なにぶん路用に差支へ候、近ごろ無心の至りに候へども、金子二分借用いたし度候、もつとも当大晦日までには相違なく返済いたすべく候、右の趣、御承知くだされ候はば、二分なりとも小粒なりとも、この袋に入れ、御見世