Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
彼はむしろ喜んで父の使いに駈けあるいていた。低能児ながらも親思いであるということが、倉部巡査には取り分けていじらしくも思われて、彼が駐在所の前を通るたびにきっと声をかけて、かれの話し相手になってやった。かれは倉部巡査にもなついていた。
「これで相原医師の身の上も、低能児の与助のことも、まずひと通りはお判りになりましたろう。」と、倉部巡査は言った。「さて、これからがお話です。」
与助は町まで酒を買いに行って、帰り途にも駐在所の前を通りましたが、今度はいよいよ笠を深くして、一散にかけ抜けて行ってしまいました。もっとも、その頃には雨がだんだん強くなって来たので、与助もさすがに急いで帰る気になったのでしょう。まあそれだけのことで、わたくしも気にも止めずにいますと、その明くる朝、相原の家に非常の事件が出来していることを近所の者が発見したのです。主人の相原健吉と雇婆のお百とは何者にか惨殺されて、座敷のなかに枕をならべて倒れていて、与助は二つの死骸のまん中に坐って唯ぼんやりと眼をみはっているばかり。一体何がどうしたのかちっとも判りません。与助をいろいろにすかして調べてみましたが、なにをいうにも口もろくろくに利かれない低能児ですから、一向に要領を得ないには困りました。