Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
『これっ、やろうとは何だ、迅く出せっ』
『一ぷく吸ろうってんだ、煙草休みよ』
『不埓を申せっ、宿次ぎ早駕の掟を知らんか。次の問屋まで休むことはならん』
『駄賃は其っ方物。体は此っ方物だ。自分の体で自分が休むのに、文句を云われて堪まるものか』
『おのれっ』
と、刀を掴んで。
『――其方たちは、故意に遅らす気かっ』
『遅らす気じゃない、通さぬ気だ』
『何っ』
三平が駕籠の外へ、躍り出したので、藤左衛門は驚いて、
『待てっ、逸まった事をするな。大事な使の途中だぞ』
『はっ……。ですが……余りといえば』
『何か仔細があるのだろう、拙者にまかせろ。人足共、金が欲しいのか』
藤左衛門が穏かに云って人足の顔を見まわした。然し何時の間にか、駕籠の周囲には、人足以外の百姓ていな男だの、老人だの、町人だの、郷士らしい者だの、およそ四、五十人も集まって来ているのであって、藤左衛門は自分の与えた言葉が、不用意でもあり、不適当でもあった事を知って、改めて、事態を正しく見直さなければならなかった。
『宿場の衆、この侍が浅野の家来かい?』
杖を携えた老人が、泥のついた杖の先で二人を指して、駕籠屋に訊ねた。