Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
『それ』と、眼顔で色めいた。
すると、台所方の者が、あわただしく、家老席へ来て告げた。
『ただ今、吉良様から、急のお使が見えてござります』
『高家から。――して何と?』
『確とはわからぬが、本日は、勅使には御精進日のように承わって居る故、料理には、魚鳥の類、お用いなきようにと云って戻られました』
自信のない江戸家老の藤井、安井の二人は、それを聞くと狼狽した。うろたえた顔のまま、内匠頭の前へ出て、
『もはや、時刻の間もございませぬのに、何といたしたものでございましょう』
内匠頭も、愕然とした顔色であった。今日の料理というものは、実は、三日も前から、精選して、丹精を尽しておいたものである。何うして、遽かに、それを取り替えることなど出来ようか。
策もない。思案も出ない。
しかも、大任第一の朝だ。数日も前から、寝もやらずに、奉公の誠実を尽して、この朝、大賓の為に清掃して居並んだ主君も、その家臣も、不安の底に沈んだように、色を失ってしまった。
すると、堀部安兵衛が、
『いや、高家の御意見かは知らぬが、ちと、不審がある。たとえ、御精進日であるにせよ、今日は、朝廷のお使として入府せられる公の御格式。