Classici giapponesi con furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
な農夫とは見えるのでした。
功名心の深い源は、その日の競馬の催に野辺山が原附近の村々から集る強敵を相手にして、晴の勝負を争う意気込でした。最後の勝利、無上の栄誉などを考えて、昨夜はおちおち眠りません。馬には、大豆、馬鈴薯(じゃがいも)、藁(わら)、麦殻(むぎがら)の外に糯米(もちごめ)を宛てがって、枯草の中で鳴く声がすれば、夜中に幾度か起きて馬小屋を見廻りました。しかし、この野辺山が原へ上って来て、冷々(ひやひや)とした清(すず)しい秋の空気を吸うと、もう蘇生(いきかえ)ったようになりましたのです。高原の朝風はどの位心地(こころもち)のよいものでしょう。源は直にゆうべの疲労(つかれ)を回復(とりかえ)して了いました。それに、人の気を悪くするような誇張(みてくれ)をやりたがるのが、この男の性分で、そこここと馬を引廻して、碌々(ろくろく)観相(みよう)も弁(わきま)えない者が「そいッたっても、まあ良い馬だいなあ」とでも褒(ほ)めようものなら、それこそ源は人を見下げた目付をして、肩を動(ゆす)って歩く。ところへ、馬喰の言草があれでしょう――源が微笑(にっこり)する訳なんです。