Classici giapponesi con furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
「誰も責めやしません」
「責めないって、そう聞えらア」
「私が何時責めるようなことを言いました」
「お前の調子が責めてるじゃないか」
「調子は私の持前です」
「お前が御父さんに言う時の調子と、今のとは違うように聞えるぜ」
「誰が親と奉公人と一緒にして物を言うような、そんな人があるものですか。こんなところで親の恥まで曝さなくってもようござんす」
「奇異なことを言うね」
「ああ、奉公人まで引合に出して、親の恥を曝されるのかなア」
「解らない人だ。そんな訳で親を担出したんじゃ無し、――奉公人は親位に思っていなくて、使われると思うのかい。……然し、そんな事はどうでもいい。まあ、今日は一つ綾さんに喜んで貰おう」
と御機嫌を直しながら、旦那様は紫袱紗を解いて桐の小箱の蓋を取りました。白絹に包んだのを大事そうに取除けて、畳の上に置いたは目も覚めるような黄金の御盃。折畳んであった奉書を披げて見せて、
「今日の御祝に、これは銀行から私へくれたのだ。まあ、私に取っては名誉な記念だ。そら、盃の中に名前が彫ってあるだろう。御覧よ、この奉書には種々文句が書いてある」
「拝見しました」
「もっと能く見ておくれ。