Classici giapponesi con furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
日本外史でも読まずかと思って」
「先生は何方(どちら)ですい」と源は尋ねて見ました。
「私(わし)かね。私は大屋の者(もん)ですが、爰(ここ)の登記役場の書記に出ていやすよ。私も海の口へはまだ引越して来たばかりで。これからは何卒(どうか)まあ君等にも御心易くして貰(もら)わにゃならん――さ、一杯献(あ)げやしょう」
二階ではしきりに手が鳴る。娘はいそいそと梯子段を上って行きました。急に四辺(そこいら)が明るくなったかと思うと――秋の日が暮れるのでした。暗い三分心の光は煤けた壁の錦絵を照して、棚の目無達磨(めなしだるま)も煙の中に朦朧(もうろう)として見える。
「どうです、きょうの原の騒ぎは」と書記は楢(なら)を焼(く)べて火気を盛にしながら、「殿下が女にも子供にも御挨拶のあったには私魂消(たまげ)た。競馬で人の出たには――これにも魂消た。君も競馬を終局(しまい)まで見物しましたかい」
源は苦笑(にがわらい)をしました。書記はそれとも知らない様子で、
「さ、不思議なこともあればあるもので、私の同僚が今日の競馬に出た男のところへ娘を嫁(かたづ)けてあるという話さ。