Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
それは水の流れを旅人に教えるので。そこには雑樹(ぞうき)が生茂(おいしげ)って、泉に添うて枝を垂れて、深く根を浸しているのです。源は馬に飲ませて通りました。
今は村々の農夫も秋の労働に追われて、この高原に馬を放すものもすくない。八つが岳山脈の南の裾(すそ)に住む山梨の農夫ばかりは、冬李の秣(まぐさ)に乏しいので、遠く爰まで馬を引いて来て、草を刈集めておりました。
日は次第に高くなる、空気は乾燥(はしゃ)いでくる、夫婦は渇(かわ)き疲れて休場処を探したのですが、さて三軒屋は農家ばかりで、旅人のため蕎麦餅(はりこし)を焼くところもなし、一ぜんめし、おんさけさかな、などの看板は爰から平沢までの間に見ることも出来ないのです。拠(よんどころ)なく、夫婦は白樺(しらはり)の樹の下を選(よ)って、美しい葉蔭に休みました。これまで参りましても、夫婦は互に打解けません。源はお隅を見るのが苦痛で、お隅はまた源を見るのが苦痛です。きのうの事が有ましてから、源は妙に気まずくなって、お隅と長く目を見合せていられない。年若な妻が馬の上に悩萎(なやみしお)れて、足を括付(くくりつ)けられているところを見れば、憐みの起るは人の情でしょう。