Classici giapponesi con furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
この広い、掃除の届いた庭の内には、植木屋の母屋(もや)をはじめ、まだ他に借屋建(しゃくやだて)の家が二軒もあって、それが私達の住まおうとする家と、樹木を隔てて相対していた。とにかく、私は植木屋の住居(すまい)を一間だけ借りて、そこで二三日の間待つことにした。
「房ちゃんも、菊ちゃんも、花を採るんじゃないよ――叔父さんに叱られるよ」
と私は二人の子供に言い聞かせた。
日の暮れる頃、会社から来た一台の荷馬車が植木屋の門前で停った。私達は先に送った荷物と一緒に大久保へ着いたことに成った。この混雑の中で、お繁は肩掛に包まれたまま、取散らした手荷物などの中に寝かされていた。稀(たま)にアヤされても、笑いもしなかった。その晩は、遅くなって、一同夕飯にありついた。
翌日は、荷物の取片付に掛るやら、尋ねて来る客があるやらで、ゴタゴタした。お繁は疲れて眠り勝であったが、どうかすると力のない眼付をしながら、小さな胸を突出すような真似(まね)をして見せる。この児はまだ「うま、うま」位しか言えない。抱かれたくて、あんな真似をするのだろうと、私達は解釈した。で、成るべく顔を見せないようにした。