Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate

Aozora Bunko

「よく考えまして」

「馬鹿じゃの、妻をもち、一家をなし、子孫の計をする、人倫の大道じゃないか。考えることがいるか。痩せ我慢するな」

「我慢では、ございませんが」

「いつまで、独身でいると、そういう風に、卑屈になる。女が欲しいと、なぜ云わん。ま、わしにまかせろ」

と、いったような調子で、いや応、云わせないし、事実、庄次郎も、女の欲しいことは山々だったので、

「では、何分」

我を折ると、

「娶うか。よしよし。善は、いそげだ、早速がいいぞ。先方は、いつでも、見合いをすると云うが、何日がいいかの」

「見合いには、及びません。叔父上のお目鑑で」

「そうはいかん。見て、損はないぞ」

「娶うと、決めた以上は」

「後になって、不服は云わぬか」

「申しませぬ」

「ならば……よかろう。いや、貴様も、存外、偉いところがある。女房など、見て、わかるものじゃなし、娶ったが勝負、籤をひくも同じこった。じゃ、わしが何もかも一任されよう」

話は早い。

そういうことにかけて、半町人肌の叔父は、気さくで、親切で、苦労人だった。

結納、日どり、すらすらと運んで、婚礼は、すず風の立ち初める、秋の九月と決まった。