Classici giapponesi con furigana
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate
二
だが、さびしくないことはない。苦しくないことはない。そのとき、ふいと、気が狂ったように、炭屋の二階からとび出して、聖天下の境内で、縄飛びをしている子供たちの群れへ交じって、
「おじさんも入れてくれ」
と、一緒になって、縄飛びをやっている坊主頭の彼の姿を見ることもあった。
二
稽古をしまうと、
「そうそう」
思いだしたように、お喜代が云った。
「明日、旦那が、私と浜中屋のお菊ちゃんを、神明の生姜祭につれて行って下さるというのだけれど、露八さんも、行かない?」
「さあ、それは、堪忍してもらいたいなあ」
「なぜ」
「旦那と、お喜代さんと、行ったらいいさ」
「でも、隣家の露八さんも誘って来いと云うんですもの」
「向うはいいかも知れないが、こっちが、やりきれない」
「そんな人じゃない、それは、さっぱりした人です。それに、私がこうして、露八さんを世話しているのに、一度も、ひき会わせないのも変だし……。ね、行って下さいよ」
「そんなに云うなら、行ってもいいが、どうも、この頭がまだ、気がさして、世間を歩く気がしないのだ」
「いつまで、鬱ぎこんでいないで、大手を振って、歩けばいいじゃありませんか。