Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate
二
女旱天の世間じゃあるめえし……。この、帳場から眺めていると、沢山来る婀娜っぽい花の中から、今に、いいのが見つかるよ」
二
ぼんやり顔のお帳場さん――は小倉庵の名物になった。筆を耳に挟んで毎日ぽかんと空虚な眼をしている。時には、物々しく腕拱みして考え込んでいる。
うすうす、事情を知っている女中が、
「どうしたのさ、庄さん」
同情を示しても、
「やめてくれ。女は、嫌いだ」
膠のないこと、ひどいものだ。
だが、庄次郎は、
(畜生め)
内心、瞋恚に燃えていたことは当然だろう。そして毎日、
(今に、見つけてやるぞ)
亭主の長次が云った言葉に暗示をうけて、帳場から、廻り燈籠のように通る妓を眺めていた。客に伴れられて、屋形船からここへ来る妓には、およそ、江戸中の粋が抜かれているはずである。だが庄次郎の眼をひく妓はいなかった。――あれほど初手は忌わしい女だったお蔦に優る女が、今の眼には見当たらない。
自分の心の変化が不思議でならない。しかし、この執着は、お蔦の美や気質にあるのではなく、お蔦の持つ肌と唇にあるのだと気づくと、彼は、人知れず、焦々して、
(殺してしまおうか)
田之助の田の字を見ても、そう思った。