Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate

Aozora Bunko

毎日医務室に勤務する。朝から各中隊の病人らしいのが、教育上等兵に連れられて診断に来る。診断するのは軍医で、衛生兵はカルテを書いたり、薬をつくったり、包帯をかえてやったり、師団司令部軍医部への報告事務を書いたりする。内務班の仕事はやらない。

「十一月頃でしたかな。一本立ちになり立てのころだった。お父さんが亡くなられたという手紙が来たのは」

「そうだ。その頃だ」

栄介は答えた。

「僕がその手紙を書いたんだ。城介はどうしてたかね」

「勤務を休んで、帰ってしまった。自分らが戻ると、毛布にくるまって寝ていたね。ずいぶん泣いたらしく、瞼がぼったりふくらんでいましたよ」

『父危篤。すぐ帰れ』

という電報を、栄介は東京の下宿で受取った。彼は映画を見て、帰途酒を飲み、午前一時頃戻って来た。電報は机の上に乗っていた。

栄介はその映画を、今でも覚えている。レオ・マッケリイ監督の『人生は四十二から』というもので、主演はチャールズ・ロートンであった。栄介はその夜かなり酔っていた。

「すぐ帰れって、こんな夜中に――」

栄介はぼんやりした頭で思った。ひどく眠かった。

「汽車なんてありゃしないだろう。