Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
一
一
ある晴れた日の夕方、夕焼雲の色が褪せかけた頃、私は郊外の道を歩いていた。季節は晩秋か、初冬だったと思う。地上や中空にかなり強い風が吹いていて、樹々の梢を動かし、乾いた砂埃を立てていた。
それはある私鉄と別の私鉄の駅間を結ぶ道路で、中央部が簡易舗装になっている。そこをバスや自動車やオート三輪が通る。舗装してない両側の砂利の部分を、人は歩くのだ。
あたりはまだ開けてなく、ところどころに樹に囲まれた農家や、小規模な団地や、高圧線の塔があるだけで、おおむねは畠に占められていた。しかしあちこちの丘や崖を切りくずして、平坦地を造成しているところを見ると、やがてここらも急速に発展して、家やアパートだらけになってしまうに違いない。
人通りは少かった。
その女は、私よりも三十メートルほど先を、私と同方向に歩いていた。女が歩いていたのは、道の端の歩道ではなく、道からさらに凹んだ畠中の道であった。黄昏時なので交通事故を心配したのではなく、風が吹きつけるので、それを嫌って畠中に降りて入ったのだろう。
その時私の背後から、相当なスピードで、一台のトラックが走って来た。