Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
「穿刺してみよう」
と、医長が言った。コブに針が刺された。見えないけれど、かなり太い針であることが、その痛みで想像出来た。
(ああ。おれのコブは侮辱された)
全身を固く緊張させたまま、不安をまぎらわすために、栄介はいわれのないことを考えていた。
(現在も侮辱されつつある!)
「何も出て来ないな」
針を引き抜きながら、医長は言った。
「これはたんなる脂肪腫だ。もうよろしい」
彼は診察から解放され、衣服をつけながら訊ねた。
「骨が突出しているのは――」
「やはりその時、折れたんですね」
「ここが張って来て、苦しいのですが――」
「うん。それは――」
肱掛椅子に戻り、医長は彼のかかりつけの医師への返事を、考え考えしながら書き始めた。
「骨が動くって、どういう意味だね?」
私はいぶかしく訊ねた。
「手や足を動かすと、手や足の骨はそれについて動く。そのことか」
「そんなかんたんなことじゃないよ」
栄介は苦笑した。
「脊椎の一部が変形する。するととたんに平衡が失われる。自立するのに具合が悪くなるんだね。しかし変形は既定の事実だ。他の骨がその変形に応じて、それぞれ形を動かし始めるんだ。