Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
半年間あおむけに寝たきりなので、背中がすれて、突起した背骨のあたりは赤くなり、あるいは部分的に化膿したりして、かえって手当する方が苦しくつらかった。当人の方はそれほどでなく、気楽そうにうなりながら手当を委せていたのは、痛覚神経が麻痺していたからだろうと、栄介は思う。
「これがおやじだ。そしておれはこのおやじの子だ」
栄介が福次郎に匙で食事をさせたり、床ずれの手当が出来るのは、帰省中に限られている。すなわちそれは夏ということになる。手当中は近所にのぞかれたくないので、戸障子を全部しめ切ってしまう。温気や膿のにおいが、むっと部屋中にたてこめる。その中で栄介は黙々と手を動かしている。――昨日自分のギプスを眺めた時、彼の体を通り抜けた衝動と戦慄は、まさしくその記憶であった。栄介は低い声で言った。
「あんな背中になって、間もなくおやじは死んでしまった。骨も相当に弱っていたんだろうなあ」
「齢をとれば誰だって、骨は弱るさ」
栄介のその感傷的な口調を、私はあまり好まなかった。ギプスを見られたための照れかくしに、話を父親の方に持って行ったのかも知れない。
「城介君だって、割に猫背だったよ。