Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
相手が梶子というしたたか者だけに、民弥は心を苦しめた。
この頃この家の玄関先で、刃三十郎とお梅とが――小間使のお梅とが声を忍ばせ、ヒソヒソ話をとり交わせていた。
「おいお梅さん、これ心附けだよ」
三十郎はこう云いながら、紙にひねった小粒を出した。
「ありがとう、済みませんねえ」
云い云いお梅は小粒をいただき、帯の間へ押し込んだ。
「へえ、それじゃア松浦って人が、梶子様を訪ねて来たんだね」
「いえ、それが大変でしてねえ」
と、お梅はクスクス笑いながら云った。
「大変? ふうん、大変なんだね? ……が、どんな風に大変なんだえ」
三十郎はケシカケるように、面白そうにこう訊いた。
「あの梶子様が、ねえ、あの梶子様が、おハシャギなされて大騒ぎ、お化粧じゃ、お召しかえじゃと、お部屋の中をテンテコ舞い、大変なさわぎかたでございましたよ」
そう云ってお梅は口に袖をあて、たまらないというようにクスクス笑った。
三十郎はイヤな気がした。
嫉妬の感情がムラムラと、胸へ込み上げて来たのである。
「お化粧じゃ、お召しかえじゃ……! なるほど、で、テンテコ舞いか! クソ! まあまあそれもいいさ。