Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
囚われの梶子
「静養も何もありゃアしないよ。……あたしゃア病人じゃアないんだからね」
「はいさようでございますとも」
「あたしゃア人形の箱を持って、京都へ行かなけりゃアならないのだよ」
「さあその人形でございますが、曰くがありそうでございますなあ」
「そうだよ妾もそう思うのさ。どうやら曰くがありそうだってね」
「へえ、それじゃアあなた様も、その曰くご存知ありませんので?」
「実はあたしも知らないのさ」
「そいつ変じゃアありませんか」
「変だといったってそうなんだよ」
囚われの梶子
「それではこれから私ども二人で、その人形の曰くってやつ、調べようではござりませぬか」
こう三十郎は興味をもって云った。
「いいだろうねえ、調べてみようよ」
こう梶子は云ったものの、実は人形の曰くなど、今の彼女にはどうでもいいので、唯一に心にかかっているのは、松浦民弥の消息であった。
「ねえ三十郎さん」
と梶子は云った。
「由蔵、何をしているのだろうねえ?」
「さぐっているのでござりましょうよ」
「さぐっているといったところで、わずかの道程の浜松まで行って、その後の成り行きをさぐるだけじゃないか。そうそう時間をとるわけはないよ」