Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
それから加藤源兵衛へ眼をやり、
「ここにおられるは紀州家のご家臣、加藤源兵衛殿と申されます。……加藤殿こちらが佐原嘉門殿で」
で、二人は辞儀し合った。
「ええと早速嘉門殿へ、ちょっとおたずねいたしまするが、萩丸様ご無事でござりまするかな?」
(ソレ来た)
と嘉門は心中で笑った。
(この老獪な郡奉行め、何気ないようなアッサリした態度で、こっちの様子をうかがうわい)
「はい、ご無事にいらせられまする」
「ちょっと拝顔いたしたいもので」
「その儀はどうも……」
「いけませんかな?」
「ちと困難にございまする」
「何故でござるな!」
と云ったのは、来た時から怒気と焦燥とを、顔に現わしていた源兵衛であった。
「拙者は紀州の藩士でござる、藩侯のご愛孫がこのようなところに、人質同様に捕えられておる。藩士としてはそのお方に、拝顔いたしたく思うは当然、何故お逢わせくださらぬ!」
「アッハッハッハッ」と嘉門の方が、今度は老獪に柔かく笑った。
「人質同様のお方でござれば、お逢わせすることなりませぬて」
「これは不都合! 逢わせぬとなら……」
「何んとなさるな、これは面白い」
「奥へ踏み込み……奥へ踏み込み……」