Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate

Aozora Bunko

「おやおやさようでございますか。いかさまこれはごもっとも、さあさあ何なりとお尋ねくだされ……」

と、梶子は笑って愛想よく云った。

素晴らしい美貌で品位もあり、年は若いが世故通らしい、尋常一様の女ではないと、梶子のことを二人の武士は、そう思っていたのであったが、その梶子が砕けた調子で、いかにも愛想よく受け答えるので、気持ちよくならざるを得なかった。

「ではお尋ねいたしますが、犬帰村の農家などに、住居されるご身分とも思われませぬが、何ゆえあのような農家などに?」

「昨夜わたくしども浜松の宿で、焼き出されたのでございますよ。……桔梗屋に泊まっておりましてねえ」

笑い笑い梶子は云った。

「ははあさようでございましたか。……そこであそこへ避難された?」

「はいさようでございます」

そう云いながらも心中では、梶子はおかしくてならなかった。

(その桔梗屋へ放火した奴は、これここにいる三十郎なんだよ。――と云うことをズバリと云ったら、三十郎もこの田舎武士たちも、飛び上がって吃驚りすることだろうねえ)

こう思っておかしくてならないのであった。

「事情それでよくわかり申した。……ところでご両所はご夫婦かな?」