Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
彼女がこの行に加わって、青塚へ行く本意といえば、恋人民弥に逢いたいからであった。
しかし梶子はその民弥が、これまでのいろいろの事情から推して、明暦義党の同志であることに、もはや疑がいなかったので、心痛せざるを得なかった。
(何んといっても徳川様に対する、謀叛人の一人なんだからねえ)
(それだのに妾はその徳川幕府の、ご老中様の隠密なんだよ)
こう思うと辛かった。
(敵同士が恋しているようなものさ)
軍右衛門と小平は木蔭へ行って、何やらヒソヒソ囁き合っていたが、やがて梶子の側へ帰って来ると、小平が慇懃に梶子へ云った。
「あなた様には紀州家の御曹司の萩丸様をご存知で? ――従来ご存知でござりましょうかしら?」
「ご殿へ参上いたしました際、二、三度お目にかかり存じております」
と、梶子は穏かにそう答えた。
「その萩丸様こと青塚の郷に……」
「そうそう捕えられているそうだねえ。……江戸で何者かに誘拐されたと、そういう噂は承わりましたが……」
「それも明暦義党の輩が……」
「そうそう誘拐したんですってねえ」
「このお方が向こうにおられましては、青塚を攻めるにいたしましても、我々は不安でなりませぬ」