Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
やがてこの日も夕暮れとなり、夕陽が森や林や耕地や、農家や山々に赤く燃え、その赤味も次第に褪せた。
と正面の敵の本陣たる森から、ドッとばかりに喊声が起こった。
その方面で戦いがはじまったらしい。
すると一方犬帰村の方からも、はげしい鬨の声が聞こえて来た。
そっちでも戦いが起こったらしい。
正面の敵へ向かったのは、鵜の丸兵庫を指揮者とした、明暦義党の一部の者と、青塚の郷民の一部とであり、犬帰村の方の敵へ向かったのは、松浦民弥を指揮者とした明暦義党の一部の者と、ここの郷民の一部とであった。
そうして本陣たる嘉門の屋敷へは、嘉門と菊女と萩丸と右内とが――郷民の一部と、女子供や老人などと残った。
(萩丸君を人質として、今はこっちの手に取ってある。城方と紀州藩との連合軍、どうして乱暴に攻めて来られるものか)
この考えがこっちにはあるので、まことに悠々たるものであった。
しかしこのことはまことに不幸にも、青塚方の考え違いであった。
というのは、城方連合軍では、梶子という女を利用して、萩丸君を連れ出させる、――ということになっていて、そうしてこのことは犬帰村方面の隊長、小林軍右衛門から使者をもって、大手から攻める自分達の味方の、これも隊長の志水但馬へ、既に以前告げてあった。