Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate

Aozora Bunko

……で、わたくしは今夜あたりから、それとなく城下を見廻って、三十郎と逢いましたならば、討って取る所存にござります」

「その計画まことによろしい」

昼の旅籠は静かなもので、三人の話している裏庭に向いた部屋の、明るい丸窓の障子へは、小鳥の影などが映って見えた。

「どれそれでは猫の蚤とりにでも、拙者は出かけるといたそうか」

鵜の丸兵庫は立ち上がった。

「兵庫様」

と菊女は云った。

兵庫は呼ばれて菊女を見、

「何んでござるかな?」

と優しく訊いた。

「いいえ……別に……でも、お気忙しい……少しは旅籠に心をおちつかせ、おいでなされたらよろしいものを……」

「アッハッハッそんなことでござるか。……おちついて家にいるは婦人のこと、男は絶えず動いておらねば、かえって元気が衰えますよ。……や、それにしても菊女殿には、可愛らしい萩丸様に行かれてしまい、ちと寂しそうでございますな」

「その上あなた様はそのように、いつも外出外出で……」

菊女はいかにも寂しそうにした。

慕ってくれた痴呆の萩丸、菊女にはこれは玩具であった。弟のように可愛いい玩具であった。

その玩具は取り去られてしまった。