Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
「当お館なのだよ、頼宣卿だったのだ」
「まあまあ」
と梶子は眼を見張って云った。
「とんと存じませんでございました」
「ところがその頃には当お館には、もうご正室がおありなされたのじゃ」
「現在の奥方様でござりましょうね」
「さよう」
と姉小路卿は頷いて、
「そこでずっと簾子姫には、独身を続けておられるのだが、当お館とは昔から今日まで、ご消息はあるということじゃ」
「お心持ちだけは通わしておられると、そういうことになるのでござりますね」
「…………」
梶子は驚きながら考え込んだ。
でも、その意味はわからなかった。
「でもどうして? 何んのために?」
「簾子様あれをご覧になられたら、頼宣卿へのご消息の端に、瀬戸内海の××島に、魚屋の財宝が隠されてあると、お書きなさるかもわからない、いや必ずお書きなさるだろう。すると野心と覇気との権化の、頼宣卿には好奇心をもって……」
「なるほどねえ」
と梶子は云った。
「そうして魚屋助右衛門の財宝を、紀州様のお手で掘り出させる。――そうなさろうとご計画なされましたのね」
「もちろんそれも一つだが、好奇心のお強い紀州様をして、××島へ渡らせて、親しくあの島を見ていただきたいと、そう伊豆様にはお思いなされたのじゃ」