Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
「それは何故でござりましょう?」
「あの島が要害の地じゃによって」
「…………」
「四国、九州の諸豪方が、いざ事ありという時には、瀬戸内海を水軍で上る。……その際あの島に防備があったら、それを食い止めることが出来る」
「そんなものでございましょうかねえ」
「これは五十嵐右内氏に、あの島でわしが逢った時、右内氏より聞いた話じゃが、そういう点へ伊豆守様には、とうにお心がつかれていて、ひそかにご自身あの島へ渡られ、お調べになったということで。……あの洞窟へもおはいりになったそうじゃ。……そのあげく伊豆守様は仰せられたそうじゃ、『幕府の手でこの島へ防備を施しては、諸大名の心を刺戟して、かえって結果は悪かろう。――ご親藩でのご英雄、紀州様のお手などでしていただいたら、一番よいように思われる。……それには親しく紀州様へ、あの島へ渡っていただきたいものだ』と」
「そこで伊豆守様には廻り廻って、それを紀州様へ実行させようと、人形の中へあのようなものを――恋文になぞらえた××島の記録を、あんな具合におかくしになり、それを簾子様へ送られて、簾子様から紀州様へ、それを伝えようとなさいましたのね。