Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
「などと卑怯にお逃げなされても……」
「逃げますな、相手が悪い」
「え?」
「ホイ、これは、また失言!」
またもやポンと額を叩き、
「ざっとこの辺でご勘弁なされ。……でないとわしの禿げた額が、減って行きます、窪んで行きます」
また梶子は笑い出してしまった。
「そうまでおっしゃるならこの梶子、特別をもちまして姉小路様の失言、お許しすることにいたしましょうが、それに致しましてもご進物の品が人形――内裏雛とはお優しい。……ほんとにこれは恋の進物……」
「いけない、梶子殿、それに触れては……アッハッハッ、恋にふれては」
「ホッホッホッ、ようございます。……でも伊豆守様と簾子姫君様とが……」
「それも困る、もうお止めなされ」
「はいはいやめるでござりましょうよ」
こう云って来て梶子の胸に、一つの計画が突然浮かんだ。
「姉小路様」
と真面目に云った。
「…………」
姉小路卿は眼を瞠った。
「いっそ妾がその進物を、京都まで持参いたしましょう」
「ナニお前様が? 人形箱を?」
「持参いたすでござります」
「あなたも京都へおいでかな?」
「はい明後日参ります」
「…………」
「これが太刀とか鎧とか、そういう進物でございましたら、お武家様が警護して、お送りいたすももっともながら、やさしい内裏雛の恋の進物……いえいえ恋でなかろうと、お雛様の進物でありますのなら