Classici giapponesi con furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Leggi 福翁自伝 (ふくおうじでん) di 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.912 caratteri · 402 schermate
をさせて、ソレからお婆さんが杖をついて哀願書を持て糺問所に出掛けた処が、コレは余程監守の人を感動さしたと見え、固よりこんな事で罪人の助かる訳けはないが、とう/\仕舞に獄窓を隔てゝ母子面会だけは叶いました。夫れ是れする中に爰に妙な都合の宜い事が出来ましたその次第は、榎本が箱館で降参のとき、自分が嘗て和蘭在留中学び得たる航海術の講義筆記を秘蔵して居るその筆記の蘭文の書を、国の為めにとて官軍に贈て、その書が官軍の将官黒田良助(黒田清降)の手にあると云うことを聞きました。所で人は誰か忘れたが、或日その書を私方に持参して、何の書だか分らぬがこの蘭文を飜訳して貰いたいと云うから、之を見れば兼て噂に聞た榎本の講義筆記に違いない。是れは面白いと思い、蘭文飜訳は易いことであるのを、私は先方に気を揉ませる積りで態と手を着けない。初めの方四、五枚だけ丁寧に分るように飜訳して、原本に添えて返して遣て、是れは如何にも航海にはなくてはならぬ有益な書に違いない、巻初の四、五枚を見ても分る、所が版本の原書なれば飜訳も出来るが、講義筆記であるからその講義を聴聞した本人でなければ何分にも分り兼ねる、誠に可惜い宝書で御座ると云て、私は榎本の筆記と知りながら知らぬ風をして唯飜訳の云々で気を揉まして、自然に榎本の命の助かるように、云わば伏線の計略