Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
先方でするのが当然だ」
父の理窟はこうであった。
島田はまた島田で自分に都合の好い方からばかり事件の成行を観望していた。
「なに実家へ預けて置きさえすればどうにかするだろう。その内健三が一人前になって少しでも働らけるようになったら、その時表沙汰にしてでもこっちへ奪還くってしまえばそれまでだ」
健三は海にも住めなかった。山にもいられなかった。両方から突き返されて、両方の間をまごまごしていた。同時に海のものも食い、時には山のものにも手を出した。
実父から見ても養父から見ても、彼は人間ではなかった。むしろ物品であった。ただ実父が我楽多として彼を取り扱ったのに対して、養父には今に何かの役に立てて遣ろうという目算があるだけであった。
「もうこっちへ引き取って、給仕でも何でもさせるからそう思うがいい」
健三が或日養家を訪問した時に、島田は何かのついでにこんな事をいった。健三は驚ろいて逃げ帰った。酷薄という感じが子供心に淡い恐ろしさを与えた。その時の彼は幾歳だったか能く覚えていないけれども、何でも長い間の修業をして立派な人間になって世間に出なければならないという慾が、もう充分萌している頃であった。