Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
三十三
それには、しかる上は健三離縁本籍と引替に当金――円御渡し被下、残金――円は毎月三十日限り月賦にて御差入のつもり御対談云々と長たらしく書いてあった。
「凡て変梃な文句ばかりだね」
「親類取扱人比田寅八って下に印が押してあるから、大方比田さんでも書いたんでしょう」
健三はついこの間会った比田の万事に心得顔な様子と、この証文の文句とを引き比べて見た。
三十三
葬式の帰りに寄るかも知れないといった兄は遂に顔を見せなかった。
「あんまり遅くなったから、すぐ御帰りになったんでしょう」
健三にはその方が便宜であった。彼の仕事は前の日か前の晩を潰して調べたり考えたりしなければ義務を果す事の出来ない性質のものであった。従って必要な時間を他に食い削られるのは、彼に取って甚しい苦痛になった。
彼は兄の置いて行った書類をまた一纏めにして、元のかんじん撚で括ろうとした。彼が指先に力を入れた時、そのかんじん撚はぷつりと切れた。
「あんまり古くなって、弱ったのね」
「まさか」
「だって書付の方は虫が食ってる位ですもの、貴夫」
「そういえばそうかも知れない。何しろ抽斗に投げ込んだなり、今日まで放って置いたんだから。