Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate

Aozora Bunko

「従軍記者諸君はおいでですか。」

「はあ。」と、僕は答えた。「わたしです。」

それが通訳のS君であることを知って、僕たちは愛想よく迎えた。

「Sさんですか。どうぞおはいりください。」

S君は会釈して竈の前に来た。S君は軍隊付の支那通訳であるが、ふだんから非常にまじめな人で、且は親切にいろいろの通信材料を我れわれに提供してくれるので、我れわれ従軍記者のあいだにも尊敬されていた。今夜は何かの徴発のためにこの村へ来たところが、ある支那人から妙な話をきいたので、ここには一体誰が泊っているのかと見届けに来たというのである。

「ある家の若い支那人が、今夜この村の徐という家に泊った日本人がある。わたしが注意したけれども、肯かないではいってしまったと言うのです。それはどんな人たちだと訊くと、新聞とかいた白い布を腕にまいていたと言う。それでは従軍記者諸君に違いないが、いったい誰々だろうかと思って、ちょっとその顔ぶれを見に来たのですよ。」と、S君はまじめな顔に微笑を漂わせながら言った。

「若い支那人が……。」と、僕はすぐに思い出した。「では、家に妖ありと言うのじゃありませんか。