Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
この隙に、柔弱者の啓之助は、人数の半分以上を引きつれて、一八郎の駕一つを固めながら、ダッ――と麓へさして急いでしまった。
その後の怖るべきものは、天堂一角だけである。あとの葉武者は何ほどのことがあろう――と、弦之丞は、それに三分の気を構え、七分の心力を一角に向けて、血ぬられた大刀を青眼にとりなおした。
ギラギラした大刀の数が、車の歯のように、弦之丞のまわりを取り巻いている。天堂一角は、たえず彼の前へ前へと、切ッ尖を向けていた。
しかし、いつまでたっても、弦之丞に微傷を負わせることもできない。
無碍に、一歩でも、手元へ近づいて行った者は、たちまち、相手の一閃を浴びて、あえなき血けむりを揚げてしまう。
すでに四人は斬られていた……。
また斃れた! パサッ――と、濡手拭をはたくような血の音。
だんだん頭数が減ってゆくばかりだ。一角を除く以外の者は、もう怯気に襲われてか、ともすると逃げ足にみえる。
斬っても斬っても、弦之丞の構えは、すぐ鉄壁に戻っていた。そのために、一角はどうしてもつけ入ることができない。何という流名だろう? 何という構えであろう? そして何と倫を絶した技だろうか。