Classici giapponesi con furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Leggi おばけの正体 (おばけのしょうたい) di 井上 円了 (いのうええんりょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.925 caratteri · 145 schermate
もし強いて聞かすれば、ビックリ仰天して逃げ出すばかりであります。それはそのわけでありて、世間の者の妖怪と思っている事柄は、余がいわゆる偽怪、誤怪もしくは仮怪に過ぎませぬから、仰天するのはあながち無理とは申されませぬ。よって、しばらく真怪の話はさしおき、もっぱら世間普通の偽怪、誤怪に関する話をいたしましょう。
偽怪、誤怪の話をする前に、一応その説明を与えなければなりますまい。まず偽怪とは、人の工夫よりいろいろ作り出したる妖怪にして、あるいは利欲のため、あるいは政略のため、あるいは虚名のために、なき妖怪をあるように言い触らし、針小の妖怪を棒大に述べ立て、「一犬虚を吠えて万犬実を伝うる」などの類は、みな偽怪と申すものであります。世の中にはこの種類最も多けれども、あまり巧みにできたる分は、偽怪の化けの皮を現さずに、真物となりて伝わりております。つぎに誤怪とは、妖怪にあらざるものを誤り認めて妖怪となせるの類にして、暗夜に木骨を鬼と認め、路上に縄を蛇と誤るも、その一例であります。つぎに仮怪とは、これに物理的妖怪と心理的妖怪の二種ありて、物理的妖怪とは狐火、鬼火の類をいい、心理的妖怪とは幽霊、狐憑きの類を申します。