Classici giapponesi con furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Leggi おばけの正体 (おばけのしょうたい) di 井上 円了 (いのうええんりょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.925 caratteri · 145 schermate
第一〇二項 霊汗地蔵
そのことは明治三十二年、尾州葉栗郡宮田村、織物業栗本福太郎方にて起こった。ある夜、工場につるしてあるランプが、十一時ごろにわかに薄暗くなり、たちまち図のごとき人面が火屋の裏面にあらわれ、一同図らずも大声を発して叫んだ。その声に応じて大勢駆けつけ、これを熟視するに、眉、目、鼻、口等、確かに描きしごとくそなわって、その頭部には毛髪乱れたるなど、いかにも奇怪に現れた。よって近辺の評判には、なにがしの怨霊ならんとて祈祷、読経を請うに至った。これ、偶然に出でたるものにして、ランプの油炎が時あって、自然にかかる現象を生じたに過ぎぬけども、世間多くの人はなんとなく気味悪く思い、迷信を呼び起こすようになる。
ランプのホヤの幻影の図
第一〇二項 霊汗地蔵
志州波切村に霊汗地蔵と名づくる石地蔵がある。村内に変事ある場合には、必ず全身に発汗して予告すと伝えている。先年、余がここに遊びしときその説明をもとめられたが、元来、石地蔵は死物なれば発汗する道理なけれども、空気中の温度の急変によって、その中に含める水蒸気がその体に触れて凝結する故である。そのときには空気の方は暖かにすぎ、石の方は冷ややかにすぎ、寒暖に非常の相違ができるから、あたかも水差しの外面に水蒸気の凝結すると同様の現象を生ずるのであると答えておいた。