Classici giapponesi con furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Leggi おばけの正体 (おばけのしょうたい) di 井上 円了 (いのうええんりょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.925 caratteri · 145 schermate
果然果然、やはり魔がさしていたのであろう。九日になると、金魚が一匹姿を消してしまった。その翌日は、下駄が一足どこへか消えた。そのまた翌十一日には、朝から茶盆大の石が縁側にコロコロッ、砂がバラバラ、障子がスー、雨戸がガタリと開く。また、石が飛び込むという物騒さ。細君が念のため記しておいたところによると、石が十一回、砂の舞い込んだことは数知れなかったという。
この風説が伝わるや、当警察署では、いかにも奇怪千万のことなるが、とにかくなにものかの悪戯に相違なしと見当をつけ、十一日午前九時より、巡査部長ほか一名の署員、私服にて現場へ出張し、同家の内外を警戒したるが、その間も例のとおり盆大の石がコロコロ、砂がバラバラ、障子がスーッという始末に、業を煮やすこと一方ならず。種々苦心の結果、下女西桜島村武、当時市内池之上町講道学舎付近居住、新助長女坂上ツルの挙動いかにも不審の点あるを発見し、細君に計り下女に命じて台所にて湯を沸かさせ、台所口の六畳の障子をしめて、部長は畳に体をすりつけて障子の穴よりうかがい、巡査は屋外に潜みて厳重に監視しいたり。時まさに三時四十分、下女のツルはイソイソとしてやかんをさげ、戸外に出でたり。