Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Leggi 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.145 caratteri · 440 schermate

Aozora Bunko

共産党の人がしゃべっていて

それがすむと山田先生が出る。

久しぶりの先生の顔はツヤツヤと輝いていて

なつかしいような、うらめしいような

前の人の背中のかげにかくれるように身をちぢめ

私はドキドキと先生を仰ぎ眺めてばかりいて

初めの間は先生の話がわからなかった

そのうちにだんだんわかって来た

それは終戦後、憲法の上では基本的人権が認められるようにはなったが

実際の事実の上では人権は確立されていない事を

失業者の実態や、独占外国資本の支配力などに関係させて話されていて

先生らしく、一方で学者としての冷静な数字をあげながら

それでいて美しい詩の朗読でも聞くように

人をマヒさせて一方の方へ引きずって行くところがあった

論證のしかたも言葉使いも完全に左翼のもので

鋭どく熱があった。

先生の書斉に最後に行った時に

来客たちと話していた先生は

終戦後、間がなかったせいか

言われることも、どこかしらオズオズした所が有ったが

今日の先生は既に疑いようのない左翼の理論家で

テキパキと確信に満ちていた。

私にはそれがわかった

思えば久しくこんなような言葉を聞かなかった

聞きながら私は死んだ兄の顔をマザマザと思い出していた