Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

あたしゃ決してためにならないことは言わないよ。栄三郎さんのほうだって、殿様にお願いして丹下さまのお腰の物を渡してやったら、文句なしに手を切るだろうと思うんだがねえ」

お艶は、行燈のかげに身をちぢめる。

「まあ! お母さんたら、情けない! 今になってそんな人非人のことが――」

「だからさ、だから何も早急におきめとは言ってやしないじゃないか。ま、とにかくちょっとお化粧をしてお酒の席へだけは出ておくれよ。ね! 笑って、後生だからにこにこして……! さっきからお艶はまだかってきつい御催促なんだよ。さ、いい年齢をしてなんだえ、そんなにお母さんに世話をやかせるもんじゃないよ。あいだに立ってわたしが困るばかりじゃないか――はいただいま参ります! ねえ、さ、髪をなおしてあげるから」

「いやですったら嫌ですッ!」

とお艶が必死に母の手を払った時、障子のそとに静かな衣ずれの音がとまった。

「今晩は……」

「こんばんは……おさよさんはいますか」障子のむこうに忍ぶ低声がしたかと思うと、そっと外部からあけたのを見て、おさよははっと呼吸をつめた。

濃いみどりいろの顔面、相貌夜叉のごとき櫛まきお藤が、左膳の笞の痕をむらさきの斑点に見せて、変化のようににっこり笑って立っているのだ。