Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

綾糸車

「ただあの?――とは、ほかに何か……」

「はい。道場の――」

「道場の?」

「おはなしに聞いたお嬢さまが気になってなりませぬ」

「弥生どのか。ば、ばかな! たとえ弥生どのがどのように持ちかけようと、よいか、このわたしさえしっかりしておれば、お前は何も案ずることはないではないか」

「けれど、茶屋女とあなた様はあんまり身分が違いますゆえ、つり合わぬなんとか……とそれを思うと空おそろしゅうございます」

お艶の声は泣いていた。互いに高鳴る血の音に身をゆだねてから……何刻たったろう。

首尾の松が風にざわめいた。

ふとお艶は、上気した頬にこころよい夜気を受けて舷側にうつ伏した。その肩へ、栄三郎の手がいたわるように伸びてゆくと――

「えへん!」

耳近く、舟のなかに咳ばらいの音がする。

綾糸車

えへん! という咳ばらいはたしかに小舟のなかから――。

二人はぱっと左右に分かれて耳をそばだてた。

が聞こえるものは、遠くの街をゆく夜泣きうどん屋の売り声と、岸高く鳴る松風の音ばかり――もう夜もだいぶ更けたらしく、大川の水が杙にからんで黒ぐろと押し流れて、対岸の家の灯もいつとはなしに一つ二つと消えていた。