Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
貨物列車の警笛に、やつとわれに返るほど、彼は、なにやかやで頭がいつぱいであつた。
明日からでも一家を養わねばならぬ、そんな境遇がこの自分を待つているのではあるまいかと、それがもうそうときまつたように、彼を一つ時緊張させる。すると、なんということなしに、妹や弟たちの年のことを考える。弟は、たしか、二十二になるのだが、ことによると、予科練を志願したのではあるまいか。彼は、ぞつと、身ぶるいを感じる。ずつと整備兵をつとめた彼の経験から、少年飛行兵の痛ましい最期をいやというほど見た。そうでないとすると、弟深志は今や、うまく行つて大学生か。それとも、中学を終つて平凡な腰弁か? 闇屋の手先などになつていてくれなければよいが。上の妹多津は、ほんとなら、もう家にはいない年頃である。二十七といえば、子供の二人も作つていていゝ筈だ。次の妹、美佐も、戯談じやない、二十五である。どんな亭主を見つけたか? こいつ、ことによると、経済的独立などと、オフィス通いをしていないとも限らぬ。一番下の真喜は、それでも、十八、いや、十九だ。なるほど、十九か。こいつ、どんな挨拶をするか。十二から十九、やれやれ、大した飛躍だ。