Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

四

いつものように、彼は、顔を洗う前に外に出て、蜜蜂の箱をあけようとすると、きのう、南条に朝六時頃に来いと言つたことを思いだした。もう間もなく六時である。

ことによると寝坊をしているのかも知れぬ。もうしばらく待つてみるつもりで、道ばたまで崖を降りて行くと、向うの道の上を、ぶらぶら、二人が歩いて来るのが見える。あつちでも気がついたと見えて、真喜が手を振つている。

「早いね、感心、感心……」

と、彼は、声をかけた。

「驚いたひとだよ、この真喜つていうお嬢さんは……おれの部屋へ、今朝、黙つて飛びこんで来て、いきなり毛布をひんめくるんだからね」

南条己未男は、わざとしよげて、訴えるように言つた。

「そんなこと、言いつけるもんじやないわ」

真喜は、相手をにらんで、

「さ、兄さん、早く蜜蜂見せてよ」

と、兄の手を取つて促した。

蜜蜂の巣の前に立つて、京野等志は、まだ床についている筈の小萩のことを時々気にしながら、ともかくも、ひと通りの説明をしてきかせ、ひとつ、ひとつ、箱の蓋をあけた。蜂の群が、みるみるうちに、十いくつかの入口から飛び立つた。

「すごいわね。蜜がとれたら、ちようだいよ」