Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

「それや、ありました。自分で、ちやんと順序を踏んで申込むと言つてました。あいつ、あれで、なかなか、形式家なんです」

「形式はそれでよろしいが、真喜があの調子じや、まるで話にならんじやないか」

「そいつは、僕の責任じやありませんよ。真喜が南条を知らないように、南条もおそらく、真喜のことがわかつてないんだと思います。箱入娘ぐらいに思つてるのかも知れませんよ」

「じや、どうすればいゝか、だ」

「まだその時期じやないつていう返事をしたらいゝでしよう」

「ちよつと、惜しい気もするな」

「お父さんにこんなこと言うのは無理でしようが、僕の考えだけを言うとですよ、大体、両親が子供の縁談を多少、急ぐ傾向があるのは、どうかと思うんです。結局、娘の場合なんか、それは、却つて、不幸の原因になることが多いんじやないでしようか。娘を嫁にやつて、ほつとするのは大間違いで、それより、自分で相手を選ぶ能力と、男によつかゝらないでも、生活していける下地を作つてやるのが、親の責任だという考え方が、僕は、健全だと思うんです」

京野等志は、自分でも、ちかごろ、ほとんど口癖のようになりかゝつた親父教育の一席を、また始めたと思い、すこし、気がひけるのであるが、父は、そういう場合、意外に、打ちしおれて、息子の説諭に耳を傾ける風がみえる。