Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
母も、今夜は、余計なお喋りはつゝしんでいるようにみえたが、しばらくたつて、彼が、茶碗をおくと、それへ茶を注ぎながら、
「そういえば南条さんも変んなすつたねえ」
と、言つた。
「へえ、そんなに変りましたか?」
「あら、あんた気がつかないの。あんなに如才のないひとだつたのに、すつかり、でんと構えちまつて、……でも、貫禄がついたつていうのか、立派にはなんなすつた」
「そうですかねえ、年は僕とおんなじだけれど、たしかにオヤジにはなりましたね」
「奥さんは?」
「まだらしいですよ。許婚かなんかあるんでしようね。そんなことをちらつと臭わせてました」
母は、それつきり、話をやめて座を起つたと思うと、小箪笥の抽出をあけて、一枚の写真を取り出し、それを息子の前においた。
「ちよつと見てごらん」
彼は何気なくその写真を手にとると、
「これや、なんです?」
装いをこらした若い女の全身像である。修整もあまり上手でなく、いくらか固い表情ではあるが、キリヽとしたところのある豊かな顔だちが、まず彼の眼を惹いた。
「それ、あるひとが持つて来たの。お家はちやんとしたお家で、持参金づきなんだつて……。