Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
あるからだ。ありがたくない家のおかげで、今どき世間に通用しない悩みを悩んでいるという恰好になる。
彼には、食うのに困るためにわざわざ家を出るという酔狂を敢てする気もなかつた。彼は、平凡に、しかし、多少虚勢を張つて、父の憲之に相談をもちかけた。
「ぼつぼつ、なにかしようつと思つて、いろいろ考えてみたんですが、時節柄、思うような仕事がないんです。いつかお話があつた、お父さんの会社に適当な席はありませんか」
「そうか、そういう気になつたか。ないこともないよ。しかし、言つとくけれど、会社というほどのもんじやない。社員といえば重役をふくめて十人足らずだ。職工は二つの工場を合せれば、あれで、五、六十人もいるか」
「お父さんは、その会社の、なんです?」
「うむ、わしは、まあ、常務の一人になつとるんだが、主に熊谷の工場の責任者を兼ねているわけだ」
「本社はどこです?」
「本社といつても別にビルディングがあるわけじやない。仲間の一人を社長ということにして、そいつの私宅を事務所に使つてるんだ。そうさな、お前が来るというなら、熊谷の工場の監督でもやつてもらうかな。ちようど、そういう人間がほしいところなんだ」