Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

というやつ、払いあげた。ワッという悲鳴、ころがり落ちると、両手を上げて頭の鉢、かかえたまんまで動かない。逸走する馬に眼もくれず、気勢に乗った城之介、振りあげた鉄杖で、も一つみっしり脳天を食らわせた。と、グーッとうめく声、左右へ両手をひろげると見るや、ヌーッと身体を伸ばしてしまった。

「脆えものだ」とつぶやきながら、城之介は死骸をのぞき込んだ。

「口から鼻から血が吹いていらあ。おお痛かろう痛かろう。可哀そうだなあ。南無阿弥陀仏……やっ!」というと胸を張った。「ほほう、こいつ、築土新吾だわい」愉快そうにゲラゲラ笑い出した。「そうかそうか新吾だったのか。いい気味いい気味、ざまア見やがれ。これでかたきの片腕を、たたっ斬ってやったというものだ。……が、いよいよおかしいなあ。こいつらいったいここらあたりで、何をたくらんでいたのだろう?」また考えたがわからない。「死骸があってはちょっと面倒。とびや烏につつかせても、あの世で成仏しにくかろう。谷へ蹴込んで水葬礼、浮かべ浮かべ、海で浮かべ」

谷間を目がけて、片足上げ、ドッと蹴落とした。その拍子に、新吾の死骸の懐中から、小長い物がころび出て、コロコロと草間へ隠れたのを、島原城之介見のがしてしまった。