Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
くたばれくたばれ!」
そんな言葉は耳にはいらぬお町、広太郎をだきしめた。「お町でございます、お町でございます。お心をしっかり! お持ちくださいヨーッ……おおおおそれにしてもこの傷は! まるでクチャクチャに斬られているよ。……息は?」と片手を鼻へやった。「しめた。忠公、生きていらっしゃる!」
「へーいさようでござんすかね」
「これでマア少しは安心した! もしこのお方に死なれようものなら、それこそ妾だって……袴様!」しかし広太郎身動きもしない。「駄目だ駄目だ。正気づかない! あっ、そうだ、きつけ薬! それから水だ! ヤイ忠々!」
「へーい」とノッペラ棒の返辞をする。
「水だヨーッ……水々……水を汲んでおいで!」
「で、どの辺にござんすえ?」
「一、二、三、四、ヤイ忠々! 十かぞえるその間に、水を汲んで来なかろうものなら……」
「あねご、無理だ! 水のあり場所……」
「谷だ!」とお町、くらいつきそうだ。「飛び込め! そうして飛びあがれ! 笠に一杯! 手前の笠に!」
谷のふちまで駈け出したが、「こいつアいけねえ、とても深い!」
「五、六、七、八、ヤイ忠々!」
「あと二つか……どうなるものか!」