Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
「素晴らしい欅だった。いい火鉢が出来る」
皮を透して外側から、内の木目をあてることぐらいは、かれらとしてはなんでもなかった。というのはかれらは木地師だからである。ひとニラミで年輪の数をあて、ひとニラミで枯死する年さえあてた。
タッタッと一隊は進んでゆく。江戸から笹子まで幾十里。その間かれらは到る所で、気に入った木を目つけては、鎌でしるしをつけたものである。そうしてこれからも行く先々で、おんなじことをやるだろう。
非常に早い足並みである。しかも同じ速力である。少しもムラのない歩き方である。
と、一つのわかれ路まで来た。二十人あまりの同勢が、一方の道から現われた。
「ヤー兄弟!」「ヨー兄弟!」双方声をかけ合った。同じ木地師の連中である。で二組が一緒になり、一百二十人の同勢となった。
タッタッタッタッと歩いて行く。
夜が来た。ねなければならない。テントが張られた。休むことになった。なんと綺麗な天体だ! ほんとに天の河の音が聞こえる。
翌朝は霧の中を出立した。
タッタッタッタッと歩いて行く。鶴瀬村を過ぎれば菱山村、甲運村を過ぎれば甲府城下、韮崎過ぎれば穴山の宿、日野春を過ぎれば葛木の駅路、ここから信濃の国となる。