Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

光圀微笑をしたものである。

「そうであろうな」と紀州頼宣、これも微笑を浮かべたが、グルリと君尾の方へ膝を向けた。

「済まなかったな、苦労をさせて」

「はい。……いいえ」と君尾はいった。つつましく両手は揃えたが、明るい心の彼女である。苦労した様子などは見えなかった。「いつも楽しゅうございました」――といった様子である。

「さて」と改めて光圀が、頼宣へ話をしかけた時には、すでに君尾は座にいなかった。侍女たちにかしずかれて別の部屋で、もてなしを受けていたのである。「少年の私、伯父上に対し、このようなことを申し上ぐるは、差し出がましゅうはございまするが、特にご免をこうむりまして……」

「ははあ」と頼宣トボケた顔で、「どんなことかな? 話すがいい。いやいや光殿は年こそ子供、が心は立派な大人。遠慮はいらない、お話しなされ」

「大猷院様にもご薨去のみぎり、天下なんとなく騒がしく、人心恟々のおりからでござれば、なにとぞ伯父上におかれましても、由縁の知れぬ浪人など」

「ああ正雪、丸橋の徒か」

「あまりお近づけ遊ばさぬよう」

「よろしい!」と潔く引き受けてしまった。「わしもな」とそれからいい出した。